そして……
「あんたさ……調子乗ってんの?
あれ、確実にあんたが悪いでしょ
あーゆーの、言い訳とか屁理屈っていうの」
キタ───!
さっすが私!
予想もよく当たる!
やっぱり梨郷寺は裏があったな
その証拠は……今、私の目の前にいる方の梨郷寺
いつもの明るいぶりっ子じゃなくて、暗くて冷たい瞳・口調
そしてなぜか説教タイム
周りにいる、私を取り囲む女の子たちは、多分梨郷寺に脅されでもしたんだろう
表情がこわばっている
「ちょっと聞いてんの!」
「!」
ドンっ
と音がして
「突き飛ばされた」
そう実感した頃には、私の腰が思い切り後ろの机に当たっていた
「いってぇ……」
「あははっ♪ウケる」
「いい気味」とでも言うかのように笑う梨郷寺
取り巻きの女子たちも、恐る恐る、従うように引きつった笑い声をあげる
一方、私は痛めていた腰をさらに傷つけられ…
嘲笑われ……
イライラMAX!!
私は拳を固めて……
……となるべきなのだが、あいにく暴力で力の差を見せつけるといったことはしたくない
ここは、しばらく様子見だね
「ほら、あんたたち」
座り込む私を見下し、周りの取り巻きに合図をする梨郷寺
私の近くに寄ってくる女子たち
そして……
「……」
今、絶賛見下され中なんだけど……
ーーー
おーっと梨郷寺選手の鼻毛が!鼻毛が見えております!
常日頃から熱心にメイクをし、「どの角度から見てもざ☆びゅーちー」だった彼女!
が、ここから見てしまえば全て水の泡!
毎日のメイク研究が、たった今!……無となってしまいました!
これは悔しい!
この悔しさをバネに頑張ってほし……
ーーー
とか考えていたら蹴られた
ひでぇ
……これはさすがにないでしょう
「……梨郷寺さんあなた、黙っていれば……」
スッと私は立ち上がって……
「がっ!!」
「……あ」
忘れてた……
私は、さっきまで梨郷寺さんのすぐ下にいた
それが、私が急に立ち上がったから……
顎に頭突き……してもうた………