「おい大丈夫か!?」
おっさんはパイプの陰から見える右腕を負傷している人を見つけると上体を起こしながらそう訊ねた。
俺は、まだ状況が分からずにただ突っ立っていた。
そのおっさんの声でおっさんの仲間と思われる人達がわらわらと集まり負傷している人を取り囲むように
輪を作って何か話し合っていた。さっきまで居たおっさんが輪から外れると俺の方に向かってきて
やっとこれまでの事情を話してくれた。
「この写真を見てくれたら分かる。右から二番目のコイツを見てくれ」
おっさんは、一枚の写真を見せてくれた。その写真は、緑だらけの原っぱの丘の下から撮った物だ。
数人おっさんの仲間と思われる人達が空をバックにして撮られている。
おっさんの言う通りに右から二番目の人を見た。
ぱっと見、その人には何処もおかしい所がないとジーと、眺めた瞬間その人の体に
他の人とは違う異変があることに気付いた。