「私は、真綾の中の人格なのよ。それに真綾は人前に出て来ないもの。」
裕が、寂しそうな目をしながら下を向き、そう言った。本当にその通りだった。授業の時は美奈、体育の時は陽向、友達と話すときは波、男子と話すのは連。と出す人格を使い分けているが、私自身の人格は、出した事がない。
事の発単は覚えてないけれど・・・。
「それは知ってる。俺だって、あんな事言いたくなかったんだ。・・・ごめん、裕」
と言って、私の体を抱き締めた。
「ちょっ、翔くん。」
今度は、照れ屋の明日香が裕と入れ替わって出てきた。