第二話 「problem」
「いっ……てぇ…」
頭が割れるように痛い、この世界を作り直す痛みは何度経験しても慣れない。
「凪〜!起きなさいっ」
誰かの声が聞こえた、もう直ったのか。
俺は恐る恐る目を開けてみた。
直後、目に入ったのは光。凄く眩しかった。眩しいと感じれる。
「成功かぁ…良かった」
前々回は失敗した姉貴にしては珍しかった。俺はその失敗の出来事がトラウマになっている。
「起きてるの?凪」
ドアが飛ぶんじゃないか。というくらいの力でドアが開いた、俺の前髪がその風でフワッと跳ねる。
「姉貴かよ…」
そう、この世界での俺の家族は姉貴だけ。少し前まで確かにいたんだお母さんとお父さんと妹は。
朝からテンションが下がるようなことを考えながら姉貴の顔を見た。…妙に焦っている。どうしたのか。
「姉貴…?」
「ごめん、問題が発生してるっ…念のため確かめてほしい」
問題…?
俺の脳裏で思い出したくないものが出てきた。
……はずだった。
今までは、そうだった。
思い出せない。思い出が。
「凪?……ちょっ!どうしたの!?」
ピーピーピー…
「シッパイ」
俺の口が勝手に動いた、自由に動かせない。
「…っく……はっヒュー…かはっ…」
第二話 「problem」 END