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ありがとうございます^^
【第一章 田宮 新菜】#1
「ぐあああぁっ……」
机に突っ伏し、声にならないわだかまりをとりあえず叫ぶ。
「はいはい、うるせーなニーナ。今日はなんだ、佐竹?須田?」
「ううんちがう!でもそれもある!……聞いてくれる?」
「だめっつってもどうせ言うんだろ……?」
「えへへっ、バレた?――春樹くん」
私は改めてカーディガンを脱ぐと、硬い木製のイスに腰掛けた。正面には、「限界突破」と書いてある半紙とホワイトボード、それらがぶら下がっているクリーム色のかべ。つまり、ここは塾である。
「――っていうことで、希美ちゃんはやっぱりナースコスプレすべきだと思うんだよねぇ」
「お前本当希美好きだよな。俺は奏のほうが好きだけど」
机の上に大学ノートを広げて、絵を描きながら大好きなアニメの話に花を咲かせる。春樹くんと私はマイナー深夜アニメが好きで、それがきっかけで仲良くなった。今では学級委員としての愚痴を話したり、一緒にアニメショップまで行って限定グッズを手に入れたりする仲に進展した。
――そうなんだけど、とても楽しいし幸せなんだけど、だけどだけど――!
私、春樹くんのこと好きなんだよ!
いやすごく仲良く見えてると思うんだけど、あっちは私のこと絶対女子として見てないんだよっ!
【中途半端ですが一度切ります】