雨。
7月22日夜11時47分。
夜の街のとある店の裏路地でうずくまる少女。
ゴミ箱のとなりにいる少女は全く動かない。
「あ〜やっと休憩…あのケバい女社長さん何とかならないのかなぁ〜」
「しょうがないっすよ。それが俺らの商売なんすから」
傘をさし、スマートフォンを手にして
店から出てきた二人の青年は
少女のすぐ近くで話を始めた。
そんな時少女のスマートフォンが鳴った。
もちろん少女は気づかない。
そしてひとりの青年が気づいた。
「なぁ、なんか音しねぇ?」
「何言ってんすかサクさん。なんもしないっすよ?」
「いやー絶対してるって…こっちのほうかな…うわっなんだコイツ……髪サラッサラ…」
サクと呼ばれた青年が気づいた。
青年は傘を少女にさし声をかけた。
「おい、おいって、何してんだよ…起きろって」
すると少女はゆっくりと顔を上げ目を開けた。
白い肌。頬は熱があるのか少し赤く紅潮していた。
「…っ!大丈夫か?お前家は?」
「……………」
少女は黙りこくって
首を横に振るだけだった。