「………………ん…。」
まだもう少し寝ていたいが、目が覚めて
しまう。暗い部屋、そして、ふかふか
ベッド、そして、知らない男の匂い…。
「……目、覚めた…?」
隣から話しかけてきたのは、先程まで
公園で倒れていた“例の男の人”だ。
無意識に自分の肩を触る。私は、バカ
だった。
「……痛っ。」
やはり傷があった。ふたつ、穴がある。
っていうか、ここ何処よ。暗いし、
隣には、あの男の人が居るし、なんな
のよ……。
「あの、大丈夫ですか?ごめんなさい。
僕のせいで、こんな怪我までさせて。」
いきなり話しかけてきた、と思えば、
相手は私に向かって謝罪してきた。
「……あの、色々とよくわからないの
ですが…。ここって何処ですか?あと、
この傷……貴方、一体………………っ!」
そう言った途端、男は、私の口を塞いだ。
口に人差し指を押し当てて、“しーーっ、”
と言う。取り敢えず私は黙った。
「あのね、俺は……吸血鬼っていうやつの、
16代目らしいんだ。16になってから、その
力、、、血を吸ったりとかみたいなことを
しないと、生きていけないらしいんだ。
俺、1ヶ月前に、16になったんだ。
だから、血とか誰の吸えばいいか分から
なくて………。本当にごめん…。」
はい?今なんて?吸血鬼⁇は?はぁ?
いや、突っ込みどころが多すぎて、
何処から突っ込みを入れてはいいかは、
よくわからなかったけど、
「……吸血鬼…お腹が空くんですか?」
はい。私はバカだ。こんなこと聞いて、
どうする?本当に私はバカだ。