初レスなんだこれ....
文才無しなのか全く
とりあえずかいていきますね
早朝、額への鈍い痛みで眼を覚ます。物理的に眼は開いてなどいないのだが別段そう表現することに問題はないだろう。夢の世界から現実へ引き戻された俺は、眠気のせいかいまいち何が起こったか把握できていなかった。
再びさきほどと同じように鈍痛が走り、流石に意識が覚醒する。起こされた、という現実に苛立ちを覚えつつ徐々に眼を開いていく。窓から差し込む日光か、それとも天井に吊るされた照明かは定かでないが、差し込む光が眩しく依然として現状は把握できていないが。
不意に視界の色が光の混じった黒に塗り替えられる。一部乳白色の目立つそれは、何かの一部で何の一部かを理解するには十分だった。
周囲の状況をある程度把握したのち、寝起き感全開で「んだよ...」と重々しげに呟くと、それは不機嫌そうに手を伸ばし俺の額を軽く叩いた。今のは緩かったが成る程、額への鈍痛はこれによるものかと一人納得する。時間差で「朝。起きろ、クズ」と罵声が飛んでくる。澄んだ声ながらも明らかに無愛想な声だ。
眼前のそれが光をある程度遮断し影になることで視界は開け、少し眼が馴れるとそれの一部と思わしき双丘が目に入った。本来見るべき対象はもう少し上なのだろうが俺の思考回路はまだ正常に作動していないようだ。暫しその双丘をボーッと眺めていると、視界がガクンと揺らめいだ。一瞬遅れて顎に衝撃が走り、思わず「アグッ...」と声が漏れる。続いて「どこ見てる、変態」とさきほどよりは大分に的を得た罵声が浴びせられる。
揺らいだ視界を立て直し、双丘よりも少し上を見てみると、セミロングの黒髪を携えた少女の姿があった。朝早くから風呂にでも入ったのかその毛先からは水が滴っている。内心ちゃんと拭けよ、と毒付くも相手が首にタオルを掛けている以上反論されるのは予想できたので口には出さない。
再び双丘、もとい胸に眼を向けると、必然的に視界に入る黒いTシャツに気を引き寄せられる。そのTシャツには生地と対照的な白で「NightBarts」と刺繍が施されていた。どこか洒落た字体でこんなフォント見たことないな、という感じだったので恐らくは自分で作ったのだろう。
「NightBarts」、とは日本語でナイトバーツと呼ばれ、最近人気の三人組のアーティストグループだ。しばしば日本以外の国でもライブを開催しており、今では結構な数ファンがいるとか。
これらは眼前の少女、峰村李乃が熱く語っていた情報で、その時は珍しく饒舌だった。それというのも梨乃はこのグループの熱烈なファンで、デビュー当初からまるで囲いのように追いかけているそうな。
そうか、だから起こされたのか。
今日は確かそのナイトバーツのライブがある日だ。俺と李乃はこのらいぶに行く予定で、まぁ昼過ぎからなのだが早めに起こされたのだろう。だが、普段バイトに行く時間より早く起こされるのは少々感に触る。
俺は7月30日現在18歳だ。誕生日はもう少し後なので既に高校は卒業しているということになる。李乃は現在15か16歳、花の高校一年生だ。高校に通うためのアパートなどが見つからなかったらしく、峰村家父の知り合いであった俺の家に居候している。俺の家、とはいったもののバイトをするほど安定した生活でもないので当然のことながらマンションの一室を借りているだけだ。
本日7月30日は火曜日、俺はともかく高校生である李乃は休めないはずだが、生憎絶賛夏バケイション中だ。俺に至っては別段ナイトバーツに興味はないのについて来いとバイトを休まされている。理不尽だ、と思いつつ俺は起き上がり、1日を開始した。