セルフヘイト

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1:◆22:2015/06/19(金) 19:32 ID:E6k

小学生の頃からやんちゃはしていたのだが、中学生になるとそれは度々学年を騒がせる程に成った。
入学式を終え、それらしい学校生活が始まったばかり頃の事である。
図書室で書物を借りて、気分も上々に教室に帰る途中の事である。
図書室に向かう時には気付きもしなかった大きな部屋に目が留まる。
後でわかった事だが、この時の頭上にはそこが何の部屋か示されていたらしい。
おれは第一にまったく無鉄砲で非常識な人間であったから、自分の好奇心に逆らえずその大きな部屋に入った。
勢い良く扉を開き、中に躊躇なく飛び込む。
ぴかぴかとおれの背後から差し込む電燈の光に輝くトロフィや、全くもって興味を惹かれないような、それでいて独特な存在感を放つオブジェが飾られている。
部屋をじっくりと見回すおれの目はそれらに囚われていて、周りの様子に気は向いていなかった。
まるでおれの様子を見に来たかのように、かつかつと響く歩行音が聞こえてきた。
逃げようとも思ったが、部屋の様子が気になって仕方ないおれはその場で息を潜めていた。
かつかつと聞いているだけでは心地良い様な音が近づいてくる。
この時のおれは、スリルと不安、安心感と楽しみの入り混じった何ともいえない複雑な感情を味わっていた。
読者も味わった事があるのではないだろうか。
俗に怖いもの見たさとでも言うだろう。


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