君の背中に

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4:柚音:2015/06/27(土) 20:30 ID:QdU


 田んぼ道を3キロほど進むと、此処だけ何故か賑やかな住宅街に入る。


 そこでいつも見つけるのが、私の好きな人。

 心の中で、なにかが動くのがわかる。
 無意識に背中を見つめてしまう。

 見つめると、何を感じたのか君が振り返った。
 そして、いつものように屈託無く笑った


「中田、おはよう」

 私もつられてニッコリ笑って返す。

「日向、おはよう」

 今日早いね、宿題でも忘れたの…?
 いや、違う。偶然早起きしただけで…

 そんな空想のやり取りが脳裏を過ぎったけど、声に出せなかった。

 私達の朝のやり取りは、何か特別な事がないかぎりこの一言だけ。
 勇気を出して、速度出しすぎの自転車のブレーキをかけられない。

 私はやっぱり臆病だよなあ、嫌になっちゃうくらい。


 その言葉を、胸に押し込んだ。


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