瞬 ―シュン―

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6:なちりん:2015/06/28(日) 20:20 ID:5lo

「なぁ瞬。今日仕事終わってから焼肉食べに行こーぜ?」
遼が指名客がいる席に着く前に、俺だけに聞こえるようにそう言ってきた。俺も誰にも気づかれないように頷くと、指名客の席に着いた。
「薫さん、いらっしゃい」
この人は、暮林薫。歌舞伎町で唯一無二のNo.1キャバ嬢。仕事が休みの時はいつも来てくれる常連客だ。プライベートの関係もあり、俺が中学生で、受験生だという事も知っている人物。
「あら、シュン君お久しぶりね」
「はい。何か飲みますか?」
「今日はソフトドリンクを貰おうかしら。まだ未成年者がいるからねー」
「ちょっと、薫さん」
俺は、小さくともはっきりと喋る薫さんの唇を片手で塞ぐ。
隣の席には、No.2のホストである・タクトがいたからだ。こいつは、俺の事を相当嫌っている。タクトは元No.1ホストで、俺が来てから2位に下がってしまったのだ。だから、嫌われているのも納得が行く。
薫さんだって、元はあいつの常連客だったらしい。


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