「好き……」
思わず口に出た言葉はこれだった。しんと静まり返っていた家の中にこの声が響く。私はやっぱり好きだったんだ、あの人の事が。声に出した事で、なんとなくだが、自覚できた気がした。
「……LINEしよ。」
取り敢えずベッドの上に置きっぱなしだったケータイを拾い上げ、ぼふっとベッドにダイブする。暗証番号を入力。0707と数字をパパッとタッチする。
【ましろ:こんばんわー。生きてるかい?】
とふざけて送ってみた。すぐに返信が返ってくる。
【つばさ:いきなりどうした?】
【ましろ:暇。】
【つばさ:電話する?】
【ましろ:長電話になっちゃうよ?】
【つばさ:ましろの声が聞きたい。】
【ましろ:?何言ってんの?】
ここでLINEのお話は途切れてしまった。その後も翼から電話はかかってこなかった。少しだけでもいいからお話したかったなぁ……と今更後悔をしまう。
知らない間にもう10時を回っていた。明日はテストもあるし、早く寝ておこう。