「さ、皐月どうしよう…!」
「落ち着いて〜葵ちゃん」
月日というものは早いもので。
あっという間に私と皐月は憧れの高校、清翔高校に入学した。
そして今、入学式を終えて教室の前に居ます…
でも…!!
「なんで皐月と一緒じゃないの〜!?」
そう!
私はCクラスで皐月はAクラスになっちゃたんです!
皐月と別々なんてムリ!
今までずっと一緒だったのに〜!
「大丈夫だよ〜休み時間には会えるから」
皐月はそう言うけど…
私は離れたくないんだよぉ〜!
半泣きでいると…
「そこ邪魔」
という冷たい声。
怯えながらそーっと振り向くと…
「……ひぃ!鬼ぃ!」
「あ”?」
冷たい声の持ち主は長身のスラッとした男子だった。
いやぁホントにびっくりしたぁ!
まるで幽霊みたい!あははっ!
「あ、葵ちゃん…」
皐月が真っ青な顔で私の後ろを指差す
にしても怯えた顔も可愛いなぁ!
…怯えた?
嫌な気がして後ろを振り向けなかった。
「お前…名前は?」
「え、や、はい?」
「名前」
「ふ、風紀…葵です」
い、一体何なの〜?
ってか背中が妙に痛いんですけど!!
男は「ふっ」と笑って…
「え、ぎゃあ!!」
肩を持たれグイっと180度回転させられた。
そしてズームアップしていく男の顔。
な、なにこれ!
まままま!まさか!キス!?
私はギュゥっと目を閉じた。