烏丸目線
烏丸「学年ビリのブスが一年で顔面偏差値を40上げて読モオーディションに合格した話」
帝「整形。」
整形か。面白い反応だな。答えを求めたつもりなんか1mmたりとも無かったけど、ここはあえて一つ正解を与えようではないか。
烏丸「正解」
帝「クイズだったんですか」
烏丸「もちろんですよ。漢字の読み方で迷ってテイで通されるケースが多出するミカドさん。」
帝「詳しい解説ありがとうございます、顔面偏差値驚異の80越えを誇るカラスマさん。」
顔面偏差値そんなにあったのか私は。こんなことを堂々と言われるということは、少しずつながらも帝に近づいている証拠だな。
烏丸「いえいえ。顔は生まれつき綺麗だったから仕方ないんですヨット」
帝 国(みかど こく)。ネタとしては十分に機能する下の名前を含めた彼の本名。 この名前をなんの躊躇いも無くつけた人間を大きな暖かい拍手でたたえたい。性格は普通。性格に普通という表現をするのはとてつもなく失礼であるが、それを承知した上でも普通と表現する。なぜなら話しやすいからだ。我ながら会話を必死に合わせてくれている彼には感謝している。血液型は知らない。誕生日も知らない。あと一つ大きく分かることと言えば、私は彼に恋をしている。
帝「生まれつきっていうのはすごく仕方ない反面、どうしようもないことに苛立ちを覚えます」
烏丸「秀才には誰でもなれますが、天才は生まれつきのセンスです。特に私みたいな美貌もそれに値しますね。」
帝「そろそろ切れますよ烏丸さんっ」
キレると言われたことは何度もあるが、彼が本気でキレている様子を見たことは一度たりとも無い。最近では本気でキレている様子を見てみたいとも思い始めてきた。
烏丸「そういえば。確かに、うちの牛乳が今日の深夜で消費期限切れですね。飲まなくては。教えてくれてありが唐辛子。」
帝「教えたつもりありません...」
烏丸「いいんですよ。教えられたつもりはありマスカラ。」
帝「勝手な想像はほどほどに」
烏丸「駄菓子菓子、想像無しに幽霊や神は語れません。」
帝「幽霊や神の話をしてません」
少しツンとして話す彼なら見慣れているが、求めているのは本気のキレなのだよ帝君。
烏丸「面倒くさいですね。世の中は。」
帝「あなたと喋るのも面倒くさい。」
烏丸「そうなんですか。今日はせっかく新作の消ゴムで遊ぼうと思ったノミ。」
帝「新品新作の消ゴムで遊ぼうとする人は初めて見ました」
烏丸「ミカドさんの歴史に書き加えておいてくださいな。記念すべき一人目として。」
帝「ふふっ」
何故に笑う。
烏丸「ついに突然狂い始めましたか。」
帝「いや、烏丸さんがくだらないと思ったので」
くだらないということは自分でも分かっている。しかし直せないのだ。くだらないことを言っていないと....。
烏丸「.........くだらない会話でないとつまらない。」
くだらないことを言っていないと......消えそうになるから。恐くなるから。暗くなるから。
帝「奇遇ですね。同じこと考えてました。」
同じことを考えていてくれようとする君に、本当の私は教えない。教えてはいけない。
そんな君の笑顔を見れるのだって、私の命がわずかに動いていられる時間だけだから。
烏丸「..土偶ですね。私もでした。」