*季節*
りゅーに恋してからの日々はすごく早かった。
・・・気付けばもう季節は春だった。
2年になった私。
クラス替えの季節。
・・・りゅーと同じクラスになれますように。
私のクラスは・・・E組。
りゅー、龍希・・・。
・・・必死に目で探す。
すると後ろから肩を叩かれた。
振り返ると、
「りゅー!」
「よっ、月、何組?」
「E組だよー」
するとりゅーは、驚いた顔をして言った。
「マジかっ!」
「・・・マジだけど?」
「俺も、E組!」
・・・嘘、嬉しい!
「やったじゃん、よろしくね!」
「おーよ!」
そして教室へ向かった。
席は窓際の一番後ろでりゅーの斜め後ろ。
・・・この場所、超いい!
少しするとロングヘアの女の子が私の前の席に座った。
・・・可愛い。
キレイな黒髪で、ぱっちり二重。
・・・絶対モテるよ、この子。
なんて、みとれていると声をかけられた。
「ウチ、大島愛!」
「・・・愛ちゃん?」
「そ、君は?」
「・・・岡本月。」
「ルナ?めっちゃ可愛い名前!気に入った!」
すると、愛ちゃんは私のことを見て言った。
「ショートボブ似合う女の子っていいね。」
「・・・ん?」
「いや、月ちゃんめっちゃ似合ってるやん?」
「・・・そうかな?」
初めて言われた。
・・・しかもこんな美人に。
「髪染めてるん?」
「ううん、染めてないよ?」
「そーか、地毛か!めっちゃキレイな色やん!」
「愛ちゃん、めっちゃほめるね!」
「・・・そう?でも、悪くは思わんよね?」
確かに。
愛ちゃんっていい子なんだろうな。
少しして、私の隣に男の子が座った。
・・・見た目は完璧不良。
茶髪だし、ワックスしてるの分かるし、制服着崩してるし。
・・・やばー。
「遅いぞ、燐っ!」
「うるせーわ!」
・・・りゅーの友達?
すごい仲良さそう。
「・・・月?」
「・・・んあ?」
りゅーがいきなり声をかけてきた。
「どーした?」
「え、別になにも?」
「そっか、あ!」
「何??」
りゅーは何か思い出したのか大声で言った。
「愛とは話したよな?」
「うん、話したよ?ね、愛ちゃん?」
愛ちゃんは振り返ると笑顔で頷いた。
「そっか、燐は?」
「・・・りん?」
「紹介するな、コイツ五十嵐燐!」
燐くんはダルそうな顔で私を見た。
「・・・岡本月です。」
「五十嵐燐。」
怖っ!
「コイツ愛想悪いんだ、ごめんな」
「え、全然だよ!」
「根はいい奴だから!」
りゅーは笑顔で言った。
・・・やっぱ、優しいんだ。
絶対、モテるよね。