約二週間振りの投稿。
大きな冒険が始まる前の準備期間です……。
家に着くと、エルは真っ先に僕のベッドに飛び込んだ。そのあまりに豪快なダイブに、僕は思わず苦笑を漏らした。
疲れちゃったんだろうな、とベッドにゴロンと横になるエルを見て思う。今日は農作業を殆ど彼女にやらせちゃったからな〜。
「エル、ご飯作るから待っててよ……」
料理の準備を始めながら言うと、エルはもう眠ってしまったようで、返事の代わりにすうすうと可愛らしい寝息の音が返ってきた。
僕はその夜、今日狩ってきた大鹿の肉を切り分け、一人でゆっくりと噛み締めて食べた。
この肉の量なら一週間分くらいありそうだ。さらに、この前町に出て手に入れた特殊な塩を振れば、かなり長く持つようになるだろう。
その塩は『ソノル』といい、東南の魔導国家【マギア】から輸入される、魔法の塩だ。この塩を振った食品は、普通のものより格段に長持ちするようになるので、不作が続き、食料に困っているこの国、ルノウェルス国の人達には重宝されている。
その分、値段も高いのだが、そこは父さんの知り合いだった街の宿屋の主からご厚意で少し譲り受けたもので済んでいるから、今のところ心配はいらない。
僕は宿屋の主に感謝しながら、残った鹿肉に『ソノル』を振りかけ、煙で燻し、燻製作りの作業に取り掛かった。
訂正
訂正前
1金貨…銀貨10枚分、約10万円
1銅貨…約10円
正しくは、
1金貨…銀貨100枚分、約100万円
1銅貨…約100円
です。
今後はミスの無いよう気を付けます