リンクワールド―二人の少女と交わる世界―

葉っぱ天国 > 小説 > スレ一覧
3:みるく:2015/09/22(火) 10:35 ID:ZRo

商店街の前で花織と別れ、私は桜並木を一人で歩いていた。
ふわふわと、ツインテールの髪の毛が揺れる。
私の名前は斉藤恵麻。
紅葉学園高等部の2年生。
私はすごく引っ込み思案で思っていることを伝えられない。
でも、春人君の事はすごく大好き。
だから……いつか付き合えたらいいな……。
―ガサッ……ガサガサッ!
「えっ?」
何?この音……。
ふと、上を見ると桜の木が揺れていた。
「え!?」
―ガサッ!
「うわああぁぁ!」
「っ!?」
声を上げる間もなく、私は何かにぶつかった。
「痛い……」
上半身を起こすと、女の子が立ち膝で口元をぬぐっていた。
じっと見ていると、私に気が付いたのか、その女の子は私の方を見た。
「……あんた、斉藤恵麻?」
「え……?」
「斉藤恵麻なの?」
何、この子……。
何で私の名前知って……。
すると、私はあることに気が付いた。
ツインテールの髪型。
二重のまぶたに長めのまつ毛。
「私?」
そう、私そっくりな女の子がそこにはいたのだ。
しかも、私がそうつぶやくと、その女の子は嬉しそうな顔で私の手を握ってくるものだから、ますます意味が分からない。
「よかった!恵麻なのね?」
「そうだけど……」
「あっ、私は斉藤恵麻……っていうか、私もって言った方が正しいかな?」


全部 <前100 次100> キーワード
名前 メモ