麗らかな午後、晴天で特に悪い事も無さそう……!
と思っていた矢先。
バンッ
「ぎゃあ!な、ナニなに何っ!?け……けけけけ拳銃っ!?」
私は何者かに襲われていました。
いつも通り、私は部活に行ってはBB弾にぶち当たり、直様やられた。
「いったぁ〜っ……あーあ、またやられたぁ」
開始10秒。
グラウンドで行われた模擬練習では、皆自分のエアガンにBB弾をつめ、部員に当てていくのがルール。
だが、何度やっても誰一人にも当たらず、いつの間にかBB弾の雨をかぶっていた。
体育館の壁に的を貼り、10mの地点で的に当てるという練習。
練習では、全く的に弾が当たらず、何度も引き金を引くも、弾は壁にぶち当たっては弾き返された。
「あんた10mの狙撃もできないの!?本当にやめなさいよ」
そう機嫌を悪くしながら怒っているのは、副部長の朝比奈信乃だ。
「そ……そんなこと言われても……っ!」
心鈴は少し涙目になりながら、訴えるように反論した。
「銃が好き、アクション映画が好きなだけじゃ、この部ではやっていけないわよ。父母を自衛隊と刑事に持つ子はどんな才能があるかと思ったら……狙撃能力皆無じゃない!」
信乃は吐き捨てるようにそう言うと、速い足取りでつかつかとどこかへ行ってしまった。
何度も部活をやめるように諭されてきたが、やっぱりサバイバルゲームは楽しい。
でもその反面、上達せず、全く的に当たらない自分の狙撃能力を腹立たしくも思っていた。
「はぁー……っ……なーんであたしって才能ないんだろ」
休憩時間、部室の椅子に座りながらぼんやり思っていた。
父は狙撃能力があるし、母はどうか知らないが、多分拳銃の扱いに慣れているのだろう。
それに引き換え、10m先のものですら当たらない……
「あーあ、部活やめさせられちゃうのかな……」
相棒のエアガン、コンバットマグナムを掲げながら、元気の無い声で言った。
「それで、君に殺しを頼みたいのだが……これが写真だ」
薄暗い部屋の中、社長室らしき部屋で、レクトと男性が対話していた。
重厚で高級そうなデスクの前に、依頼人は立っている。
そして、彼は一枚の写真を見せると、二ヤッと口角を釣り上げた。
「俺は基本的に罪を犯した者しか罰しませんが。ましてや、女子高生など言語道断」
「それがだね……彼女は一度、殺人を犯したことがある」
「!」
彼の口からは、とんでもない事が吐き出された。
「私の兄を、誤って刺したのだよ。幼少期にね。正当防衛、しかも子供だったため、罪に問われなかった」
「……分かりました。その恨み、晴らして差し上げましょう」
冷酷な瞳で、レクトは写真を受け取った。