ミッション部!

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5:雫恩:2015/10/18(日) 15:26 ID:v92

第二話
「ライトー!!知ってるー!!ミッション部が…」
「知ってるよ…。」
いつもみたいな元気がないライトを唯奈は初めて見た。
唯奈は目を大きくして、どうした?と尋ねた。ライトからの返事はなかったけど…
(あの人がミッション部リーダー…)
ライトは昨日のことをずっと考えていた。ライトの中のミッション部リーダーは、
もっと大きく肉体が立派な男だと思ったが…
(きれいだったな…)
あの人の性別を聞いたところ男と言っていたがその言葉が信じられないほど
綺麗でおしとやかだった。…そこらへんの女子よりも…。
唯奈はライトが返事してくれないのは面白くなかったが話しを続けていた。
「ミッション部ってさー驚くほど全員美形よねー。」
「全員…?」
「そうよ。もしかして全員見てなかったの?」
集会のときに…と唯奈に言われ記憶を巻き戻したがまるで覚えていない。
(集会って…あっ…おれ寝てた…)
それが伝わったのか唯奈はライトを呆れた目で見ていた。
ライトは席から立ちあがるとちょっと見てくる。と言って教室を出ていった。
唯奈は会えるわけ無いのに…と思いながらその背中を見つめていた。




学園内には多くの墓がある。悪魔と戦い命を落とした生徒が多く眠っている。
その中の一つの墓の前にリュウマ・オルヴァはしゃがみ込んで手を合わしていた。
「お前はいつもやることが突然だな。」
「…。」
リュウマの後ろに現れたのはライトの兄ジン・ロングラだった。
彼はリュウマを睨みつけていた。
「そう…ですか?」
「そうだ。二年前だって突然修行に行くって言って居なくなるし、そうと思ったら
 昨日ふらっと帰ってきたからな。」
「ふふ。そうですね。」
彼は笑っていたがその目はどこか悲しげだった。その顔を見てジンは怒っていた。
「俺はその顔が嫌いだ。」
「え?」
リュウマは大きく目を見開いた。
「お前はいつも無理して笑っていた。そう、お前の相棒が死んだ時も。」
「…。」
「なぜ、あの時お前は泣かなかった。」
大事な相棒だろう…ジンはリュウマに問いかけた。リュウマは顔を伏せたまま
何も答えなかった。
「・・・って・・・」
「…なんだ?」
リュウマはボソッとつぶやいた。そして前にいるジンを見てもう一度いった。
「だって彼が死んだとあの時は信じられなかったのですから…」
「…。」
ジンは何も言えなかった。リュウマは微笑みながら涙を流していたから。


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