文才上げるために書く短編集 (失踪する可能性あり)

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10:ムクロ:2015/11/07(土) 14:45 ID:3uI

僕のクラスには、変わったやつが一人いる。

「しょうがないから達哉が手伝ってやろう!!」
「いや、いいです」

身長は小学生高学年レベル。言葉使いも小学生高学年レベル。頭は平均的。顔はいわゆるショタ顔、つまりは小学生高学年くらい。
どっからどう見ても、一部の女子が喜びそうなこの高校生ショタ野郎の名前は斎藤 達哉。
ことあるごとに僕に話しかけてくるやつである。

高校生ショタ野郎我らが達哉くんは、今日はどうやら僕の手伝いをしたいらしい。
今僕はクラスの皆から集めたたくさんの地理のプリントを持って職員室に向かっていた。
20枚程度の薄っぺらな紙。手伝ってもらわなくたって大丈夫だ。
なのに、だ。我らがショタは手伝いたいのだと。
しかもなぜか上から目線。生意気だ。
性格は顔に出るってか。なるほど。だからショタ顔なのね。

「手伝わせろっ!!無視するなーっ!!」
「はいはい。あとでアイス奢るからね〜」
「舐めやがって!!」
「舐めたくもない」

なぜこうも僕につっかかってくるのだろうか。
そういえば、休み時間に達哉が誰かといるのをあまり見かけない気がする。
見かけたとしても、一部の女子が熱心に話しかけているだけで、友達って感じではなかったはず。

もしかして、僕と友達になりたい、とか?
……いやいや、まさか!!そんなわけないだろう。

「手伝わせろーっ!!」
「もう職員室近いしいいよ」

うんうん。そんなわけないだろう。
この生意気なやつがねぇ……。ハハハ。

心の中で乾いた笑いをしていると、達哉が僕の制服の裾を掴んだ。
こういうところも実にショタっぽい。
僕は「なに?」と振り向いた。
達哉は顔を照れたように赤く染め、小さな声で言った。

「達哉が手伝ってやる」

子供っぽい。実にショタっぽい。
僕は達哉の粘り強さに負けたことにして、プリントを半分持たせてやった。
達哉はパアアァと効果音がつきそうな明るい顔になり、満足げに頷いた。

「お前は見るからにひ弱そうだから、このプリントを持っていけなかったんだろ!!」

なんとまぁ酷い解釈だ。

「達哉は見るからに強い。だから手伝ってやろう!!感謝しろよーっ!!」
「はいはい」

子供って疲れるなー。ハハハ。
僕はまた心の中で乾いた笑いをして、歩を進めた。


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