君色。~僕と君と~

葉っぱ天国 > 小説 > スレ一覧
5:飛鳥◆/s:2015/11/19(木) 12:20 ID:ty6


「じゃあ皆もう知ってると思うが転校生を紹介するなー。百瀬入って来い」

…ん?百瀬?何か聴き覚えのある苗字な気が
そう思っている間に転校生が担任の葛西に連れられ教室に入って来る
その瞬間男子が「可愛い」と僕以外が口を揃える
正直僕は女子の見た目はどうでも良い為、転校生には気にも止めず窓の外を眺める

「え、えっと…砂賀商業高校から転校して来た百瀬美桜(モモセ ミオウ)です。宜しくお願いします」

百瀬…美桜…?それってまさか!
バッと窓の外から黒板に視線を移すと懐かしい顔と昔と変わらない笑顔の美桜が居た

念入りに手入れしたであろう艶やかなストレートの黒髪。髪と同じ漆黒の瞳
透き通るように綺麗で透明な肌。背の低い僕よりも身長が低く華奢な体型
そして右目の下にある泣きボクロ

間違いない…僕の幼馴染でずっと好きだった美桜だ
僕は衝動的に立ち上がる

「瀧森どうした?知り合いか?
 じゃあ丁度お前の隣誰も居ないし百瀬の席はそこな」
「はい」

そう彼女は葛西に言われるがままに僕の隣に座った

「宜しくね。瀧森君」
「あ、あぁ…うん」

ニコッと微笑む美桜
どうやら僕のことは覚えていないようだ
顔立ちは変わってるし声も低くなったから無理もない
それに美桜が転校したのは十年前だ。苗字だけでは分からないだろう

分かっていたことだがやはり覚えていないのはずっと幼馴染の美桜が好きだった僕には深く胸に突き刺さった


全部 <前100 次100> キーワード
名前 メモ