ケ:………んん…ふぁああぁ…
ケータは真夜中の
3時50分に目が覚めた。
ケ:………。あれ?まだ3時だ。
オレ、どうしてこんなに早く…?
まあでも喉渇いたし、水でも
飲んでから眠気覚ましに
外でゆっくり散歩でもしよう。
ケータは、ガチャッと
部屋のドアを開けた。タンタンタンと
階段を降りてキッチンへ向かう。
階段を降りる途中、ケータは
ふと足を止めた。
キッチンの方を見てみると、
うっすらとした明かりがついていた。
ケ:(お母さんたち、もう
起きてるのかな・・・?)
ケータがまた足を進めて、
キッチンの突き当たりの壁に来た時…
ガタッ…ガタガタッ……ガサガサッ!
こんな音が、キッチンから
聴こえてきた。
ケ:(!??)
ケータは壁に張りつつ
キッチンを覗いてみた…
すると−
そこには、冷蔵庫や引き出しから
食料を漁っているオロチのような
『妖怪』がいた。
ケ:!!?
(暗くてよく見えないけど、
確かにオロチじゃない…。
でもなぜこんなところで…)
?:・・・・・・そこに誰かいるのか・・・
太く、低く、静かでしゃがれた声。
これは、確実にオロチではない。
シーンとした空気が一瞬で
緊張の静かな空気へと変わる。
ケ:(やばい!きずかれる!!)
耳には自分の心臓の
音だけが聴こえてくる。
♪チャッチャラリラ〜♪
♪チャンチャンチャ〜♪
♪ズンチャチャチャ〜♪
ケ:…!
?:!?
時計か陽気な音楽を
流しながら4時を告げた。
緊張のある、静まりかえった時に聞く
時計の音楽は、不気味に聞こえた。
すると、部屋全体にパッと
一気に明かりがついた。
母:…ケータ〜?こんな暗い中、
何やってんのよ?それにしても、
今日は起きるの早いじゃない!
さー、今日も
気合い入れて行くわよー!!!
ケ:お母さん・・・・・!!
安心したが、我にかえり
キッチンを振り向いた。
しかし、そこには
何事もなかったかのように
食料もなにも荒らされておらず、
もとのままだった。
ゲ:・・・・・・・・・・。
母:どうしたの?ケータ
ケ:ううん、なんでも。
そう言って、ケータは
キッチンへ入っていった。
その後ろには、とても紅い
金箔の入った鈴が落ちていた−
第一章 完