ホームルームが終わり、私は帰りの準備を始めた。 今日何度目かのため息を吐きながら机の中を手探る。 何かコツンと固くて冷たいものが当たった。あれ、こんなに小さいモノ入れてたっけ? それを取り出してみると、正体は無色透明の石だった。 前に雑貨屋で見た、天然石………いわゆるパワーストーン。水晶というものらしい。 あまり興味はないが、この石には何故か惹き付けられる。 透き通ったその輝きは真っ直ぐで、まるで私の理想の姿のようだ。