体育館、たくさんの人がいる。
その中で僕は1人、特定席に安藤を隣に座っている。
「サーブ1本入れてけ コーコル 行けー!」
「‥行くぞー」
「行けー!」
ダンっという音と一緒にヒット。よし上手くいったな。
1ポイント稼いだようだ。
「あーラッキー。ココル、ナイス!」
「ん。次も決めてくよー」
「はい!」
『へぇ。以外と実力持ってるじゃないか。』
(サーブだけで1点、しかも狙ったところを確実に打ち狙う‥
狙った獲物は逃がさない、百獣の王ライオン‥百獣の姫、ココル‥)
「行けーファースト」
(姿勢、バランス、狙い‥‥完璧じゃないか。北川ココル‥)
「きゃあーー!うそ、ひびき様!?いや〜ん!こっち向いて〜!」
『ふふふ。』
僕は笑みを浮かべ手を振る。
「きゃあーーー!」
「みんな、何やってるの。試合に集中し‥」
「きゅーん!ひびき様ぁ!」
審判まで僕にメロメロだ。まぁ、当たり前だろうがな。
とりあえず、ココルをこちらへ連れてくるとするか。この状態では、
試合は続けられないだろう。
「みんな!‥審判まで‥ラインズマンも!何やってんの‥」
「こんにちは、プリンセス。お手を拝借」
僕は相手の手を取り強引にこちらへ連れて行く。それでも手を振り払う相手。
「あの‥試合中なんで。」
「この状態では、試合なんて出来ないだろう?」
「そうですけど‥‥」
言葉が詰まる相手。僕は相手をお姫様抱っこし連れて行く。周りは羨ましそうに見つめる。すまないね。君たちには興味がないんだ。
僕のこの美貌に震えもせず冷静に対応する君。
君を僕のチームに入れよう。ウィンドリは5人チームだが、
6人チームにしろ、と命令すればいいだけのこと。
「あの‥離してください‥ん?‥ひびき‥?あぁ!ひびきか。
なんか似た匂いするなと思ったら。‥やっぱりひびきって良い匂いするよね。
シャンプー何使ってんの?」
男らしい口調。僕の顔にぐっと自分の顔を近づける。
危機感を持たないのか。東堂シオンではないか。
「君、大胆だね。」
「は?何が。あ、そうだ。試合出来なくなっちゃったのひびきのせいなんだから、お詫びとしてひびきの家行かせてよ。色々甘いものあるかも‥」
ニヤニヤ笑い僕を見る。何をしょうもないこと考えているんだ。君は。