十字架の記憶

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1:歩未:2015/12/28(月) 11:53 ID:A7U

暗い山道を走っていた。

「はぁっ、はぁっ」

息を切らせながら走っていると急に視界が開いた。
崖の向こうに海があり、崖に波が打ち寄せていた。

「行き止まり...。」

パキッ。
後ろから小枝を踏んだ音と人の気配がした。

(どうする?...振り返るか。)

そう思い振り返った瞬間、体に冷たい物が通り抜けて行った。

「...え?」

一瞬、何が起こったか分からなかったが、冷たい物が通り抜けて行った所を見ると赤い血が流れていた。
相手を見ると血に染まったナイフを手に握っていた。
その時、自分に何が起こったかが分かった。

(刺されたのか。)

ドンッ
誰かに押された。
振り返ると自分を刺した男だった。

「あっ...。」

声を上げた瞬間、崖から落ちた。
自分的にはゆっくり落ちていく感覚だった。
ドボーン
水に落ちた音が耳に聞こえゆっくり沈んでいくのが分かった。
水面が遠くなっていくのを見て目を閉じた。


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