もちろん!あなたなんて、見えてないよ!・・・

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5:メタナイト:2016/01/01(金) 17:33 ID:Is6

「ママ…。和樹は?」
「…!あ、か、和樹?え、あ、う、うん!10日間入院するだけよ!心配しなくてもいいよ。」
「!!ま、ママ…。まさか…。まさか!!!」
「…ごめんね…入院するだけよ…だいじょうぶ。」
ひきつったような笑みを浮かべて、ママは必死に何かを隠そうとしていた。
「見せてよ!」
ママから奪い取ったのは、一通の手紙。……手が震えてきた。―まさか!その手紙を読み取る。
(えっと…、あなたのところの和樹君は、あと10日間しか寿命がないでしょう。…意味わかんない!)
「ルカ!やめなさい!」
その手紙を破いて、ぐちゃぐちゃにした。そして、階段を駆け上がった。部屋に飛び込んだ。ベットに抱き着いた。
(もうもうもう!あのうそつき医者!和樹は!和樹は死なないもん!5年の命しか…和樹にはなかったの!?どのくらい、重い病気なの!?パパも…なんで死んじゃったの?パパが、連れて行ったの?死ぬのに…入院は必要なの!?合わせてよ!和樹いいいい!)
「お姉ちゃん。」
「え?」
和樹の声だ。


和樹!?


和樹なの!?


心の中で、めいっぱい叫んだ。








和樹は、10日もしないうちにこの世から、消えた。あれは、確かに和樹の声。何かを伝えに来たの?
…もっと遊びたかった。霊感強ければよかった。もちろん!あなたなんて、みえてないよ!
…見えてないから、余計に悲しいの。
…見えてれば、見えてれば…
ずっと、自分を責めた。そうしたら、「お姉ちゃん。」って。責めないでって、言ってるみたい。




                             ありがとうね。和樹。


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