『白帆区北学園』、それは東京の一部を切り拓いて出来た学園。
私利梨利里は、今日からこの学園へと転入する事になった。全寮制、外部の人間は許可なくして
この敷地内に入ることは不可能。そして、この学園の生徒達もまた敷地外への出入りを禁止されている。
それほどまでに謎の多い学園だが、財政界にも大きな影響力を持ち、偏差値も高い。
こんな学園に入れるなんて、本当に名誉なことだ。だが、一つ心配なことがある。それは、
『白帆カースト』と呼ばれるスクールカーストのことだ。本当にあるのか定かではないし、ただの噂かもしれない。
胸に残る違和感を抑えながら、利里は正門をくぐった。