こんなヤツ好きになった私がバカだ。
冬弥はバカじゃない。
気付けば、冬弥の顔が目の前にあった。
スッと通った鼻すじ。
大きい二重の目。
冬弥の手は日葵の頬に重ねられた。
「許して。ごめん」
「やだ」
その冬弥の親指が頬をなぞるようにして後ろへと動かされた。
((心臓の音、うるさい。。
何でこんな道のど真ん中でドキドキするようなことするの・・!?
冬弥の手が日葵の頬からパッと離れた。
「今さらって思うかもだけど。」
キミはそう前置きして意外な言葉を口に出した。
「日葵(ひまり)ちゃんが好き。。。です」
「バカ。」
今さら遅いよ。
あえて返事は返さずに、日葵は必死の笑顔を見せた
「、、、どこ、転校するの?」
「・・・東京。」
東京か。遠いな。
ここ福岡だし。
「・・・そ、っか。頑張ってね。」
「・・・うん」
「あ、着いたら住所教えてね?連絡ちょうだいよ!絶対だよ?」
「・・・うん」
「な、なに小学校ってとこ行くの?あ、まだ分かんない?」
「・・・うん」
「うん、、、。って。言い過ぎだよ」
「・・・うん」
バシッ!
自然と手が動いた。
気付けば冬弥の頬を叩いていた。
ごめんって言おうとしたけど、カッコ悪いから冬弥の顔は見ずにそのまま帰った。
「日葵」
「・・・何」
「何でもない。」
「ふーん。」
日葵は冬弥と距離が長くなった事を確認してこう叫んだ。
「冬弥!大。。。好き。」