[1.事件の始まり]
「ふじもーってかっこいいよね〜」
花菜が私に話しかけてくる。
「今日6回目。」
私はそう言って席を立とうとすると、「ふっ甘いな。今回は新情報だ!」
と引き留める。何だろうと実は耳をダンボにしてる私。
「あのねっふじもーって、身長173cmあるんだって!背高ーい♪めっちゃかっこい〜い♪」
そうそう、実は牛好きなギャップもサイコー!心の中でキュンキュンしまくってる私。いつも通りな今日。花菜は次に教頭先生の話題を出すのもいつも通り。
「それと比べてハゲたぬきとか158だって…うめちゃんだって165はあるんだよ!チビ、ハゲ、デブ……キモすぎ」
ほらね。いつも通り。挨拶が終わった後の文芸部の部室はいつものように部長と横杉先輩と私しかいない。先輩も苦笑いしながらも注意しない。もう、これが当たり前だから。まぁ、横杉先輩は無口なだけだろうけど。
「そろそろ帰ろ!花菜!」
「OK♪」
「それじゃ、また明日です先輩!」
廊下で新聞部が泣きそうに何か叫んでる…何だろう?…えっ…?!
「ふじもーがっ、舞台の裏で首をつっていたらしくて…っ」