〜序章〜
‥‥周りはとても静かだ。
いつもは聞こえてくる美しい鳥達の歌声、
キラキラと光る太陽の下、無邪気に遊びまわる子供達の声も聞こえない・・・。
辺り全体はまるで洗濯してすぐのシーツの様に真っ白で、
僕は今この世界に存在している物なのかが、ちょっとずつ分からなくなってくる……。
‥いや、僕はちゃんと此処に存在している。
ほら、今だってこの世界。大地を踏んでいるじゃないか…。
「・・・誰?」
何処からか、僕を呼ぶ声が聞こえた気がした。
その声は少しずつ近く、大きくなっていく……
「..ァ.」
「フ.ァ.」
「フィ.ア.」
「フィアー」
「フィアー!」
・・・僕が目を覚ました時、
僕の周りにあった物は、ボロボロの廃墟になった街。
そして、目の前には小さな女の子だった‥‥。
〜序章、完〜