僕の全て、君の全部。

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2:すぴか。:2016/03/02(水) 18:16 ID:HvU



「貴女なんて、誰からも愛されないの よ。
 恨むなら、貴女を置いていった両親 を恨みなさいね。」

記憶にあるかないか。
物心ついていたのか定かでないけれど、何故かこの言葉だけは覚えている。

いや…、正しくはこの言葉と、あの冷たく鋭い視線。


私が幼い頃、事故であっけなく両親は逝ってしまった。
よくある飲酒運転の車との交通事故。
よくあってはいけないことだけれど、それで両親は帰らぬ人となってしまったのだから。

普通だったら、飲酒運転の運転手を憎み恨むのだと思う。
幼すぎて覚えていないのだから、両親のいない悲しみにも暮れず、相手への怒りすら込み上げない。

『冷たい人間』
確かにそうなのかもしれない。
でもね、「愛」を知らないのだから、暖かさも何も分からないのだと言い訳をさせてほしい。

そんな冷たい人間である私、
安藤 奏(あんどう かなで)は、今年
高校1年。

冷たく、嫌われ体質である私は、ろくに友達すら出来ないことくらい分かっている。

…、分かっていても、一筋の線を描きながら頬を濡らす涙は、何よりも素直で正直だった。


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