僕の全て、君の全部。

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3:すぴか。:2016/03/02(水) 18:32 ID:HvU



…ここが私の席か。

初めて入る1-6の教室。
黒板に貼られている席順の紙に群がるクラスメートの間から、安藤の字を見つけ、そこへと座る。

見た限りどうやら出席番号順のようで、頭文字が「あ」である私は一番前の窓側。

窓側は好きだけれど、一番前っていうのが気に入らない。無論、席を変わる事なんて出来るわけないけどね。

頬杖をついて、爽やかに広がる水色の空を眺める。白い雲がゆっくりと動くのを見ながら、「あぁ、今も時間は流れていっているんだな」なんて、思い耽ってみたり。

ぼーっとするのは慣れてしまった。
つまらないのは変わらないけれど、一人での時間は潰せるようにならないと。

がたん、と隣から音がしたから、隣をちらっと盗み見る。

そっか、隣に井上…みたいな名前の男子が来るんだったけ。
黒ぶち眼鏡に、サラサラな黒髪の爽やか好青年な井上(仮)君がこちらを見てにこりと笑った。

綺麗にきゅっと上がる井上(仮)君を見つめながら、笑顔の作り方を知らない私は軽く会釈をする。

…彼みたいに笑えたら、友達出来るのかなぁ。


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