「はあっ………はあ…………」
私は息を切らして必死に走った。崩壊した私の国から逃げるために。
「ルナ、早く逃げるルル!」
「分かってるよ……」
うるさいよ、ルル!足元の瓦礫が邪魔で走りにくいの!
あんたは飛べて楽だよね…。
「ルナ、後ろルル!」
えっ!?
後ろから、何かが飛んでくる音が聞こえた。不気味な「ゴーッ」と言う音。
私は振り返るより先に呪文を唱えた。
「マジカルホープ!」
ぽんっと言う軽い音と共に、ピンク色の煙から小さなほうきが出てくる。
私はそれにまたがった。