「勘違いしないでよッ、全然あんたの 事なんて好きじゃないの!」
夕焼けのオレンジに照らされる教室。
二人、影を作りながら向かい合わせに立っている。
一人は私、立花 瑠璃。
前から大好きだった、米倉君に告白したの。
え?何て告白したかって?
冒頭に書いた台詞に決まってるじゃない。
…、分かってるわよ、あんな言葉じゃ告白なんて言わないって。
でも仕方ないでしょ、私は…、
本音が言えないんだもの…。
案の定、米倉君は目を真ん丸にしているし。
「え?なに、何が言いたいの立花さん 。」
「だからッ!
私はね、あんたなんて大好きじゃな いって言いたいのよ!
ずっと、ずーっと前からあんたの事 見てたとか、あんたの事考えると胸 がキューってなんないから!」
…何で、思ってる事言えないのよ、私。…むぅ。