『シナリオ恋心』

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2:天音◆mU:2016/04/01(金) 17:05 ID:KzY


『…ッ、何だよ!
俺だって…、お前の事好きなんだからなッ!』

ゲーム機から聞こえるイケメンボイスなイケメンセリフ。

「何回聞いても飽きないなぁ…。
やっぱり、奏君はベストオブツンデレだよね。」

うんうん、と誰もいないのに1人悲しく頷く私は白浜 美都。
いわゆるリア充…、じゃない方。
そう、非リア充。

友達なんていないに等しいし、彼氏なんて存在するわけもない。
家族と、この『奏君』のために毎日を生きている女子高校生なのです。

「みーとーちゃーん!ゲームしてないで、学校行ってみたらー?」

1階から聞こえてくるお母さんの声に、ハッとして時計を見る。

[8:20]

遅刻寸前のこの時間に私は目を疑いつつ、スクバを乱暴に持ってから急いで階段をかけ降りる。

「お母さん、行ってきます!」

「行ってらっしゃーい!」

お母さんは天然な方だと思ってる。
さっきだって、学校行ってみたらって…何かのお試しじゃないんだから。

足の速さには自信があるものの、片道30分以上はかかるこの道を、10分で行けるかどうかなんて目に見えた話。

__今日も慌ただしく1日が始まった。


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