路地裏を歩き、家に向かって歩いている途中、少女は様々なことを尋ねてくる
「お兄さんって殺し屋だよね?」
「俺は殺し屋だ、あとお兄さんと言われる程には俺は若くない」
「……おじいちゃん」
「何故そうなる……?、まあ、おじさんだな」
小生意気な少女と共に歩くおじさん、どうみても娼婦館に売り飛ばす直前にしか見えないだろう、そんなことを考えながら歩いていると、少女が不思議そうな顔で聞いてきた
「おじさんの名前って、何なの?」
「シヴァ=サレラ、だ、お前の名前は何だ?」
「シア、簡単な名前だと思わない?」
自嘲気味に話す少女の背中が、とても小さいことに気がつき、少しだけ胸が苦しくなった。
暫く歩き、俺が住んでいるマンションのエントランスに辿り着いた。
「へぇ、結構綺麗な所住んでるんだ、シヴァさん」
「中まで綺麗だとは限らないぞ?」
いきなり名前で呼んできたことに少し戸惑ったが、そこまで違和感は感じなかった、部屋の前に立ち、ドアを開けた瞬間、少女はこう呟いた、
「何この部屋…汚い……!」
「部屋が汚いから引っ越しもできなくてなぁ…」
「それ、致命的な弱点じゃない?」
とりあえず少女を部屋に入れ、明日は大掃除だな、と一人考えた。