そう、私は悪女。

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2:ほのあ◆1o:2016/04/03(日) 13:28 ID:jAM

第一話 私の生活

とある家の中、和室の部屋の真ん中に電源が付いていない黒いパソコンが置いてあり、パソコンの目の前にぽつんと正座をして座っている小学生が居た。影が薄そうで、性格も暗そうなオーラを放っている。パソコンに吹き掛ける様に、小さく溜息を付いた。

「……何で、私ってこう何だろう。」

溜息を付いた後、そう呟いた。黒い画面のパソコンに自分の顔が映る。その顔は至って不細工でも可愛くもない普通の顔だが、本人自身は不細工過ぎて吐き気がする。自分の鏡を見るのも嫌だ……と思い、自分の顔が映る黒いパソコンを閉めた。

彼女の名前は月条綾。小学五年生で、不登校の女。学校の友達からは虐められて下り、悪女とも言われている。悪女と言われている理由は、きっと不登校だからと綾は自分で考えている。そう思うだけで頭痛がして頭を抱え込む。そんな時、襖がスーッと音を立てて開いた。

「綾、ちょっと話が有るの。来なさい。」

襖を開けたのは、綾の母親。そう言われるが、どうせ不登校になった理由を聴きに来たのだろう、と勝手に決め付け後ろを振り向く事さえ出来なかった。

母親には悪いが、今は嫌だ。ときっぱりと断った。すると母親はそれを分かったと受け入れる。普通の母親ならば無理矢理にでも来させるだろう。だが、直ぐに諦めてしまった。襖が閉まる。綾はそのまま布団を引いて、その中で泣いた。

(何度言っても聴かない人には諦めるって、本当何だね……)

そう暗い声で呟く。その呟きは誰にも聴こえない。何故なら心の中で一人寂しく呟いているのだから。綾は現実逃避をする様に、そのまま眠りに付こうとした。

眠りに付こうとしてから二十分は立っただろうか。綾は不眠症で、目がぱっちりと開き、全く眠りに付いていなかった。

「眠くない……それに暑い。」

今は四月の始まり頃だが、真夏の様に暑い。きっと布団を五枚も掛けているからだろう。頭の髪の毛から足の先っぽまで全て身体を布団の中に納めている、布団を取れば良いじゃないか、と普通の人は思うだろうが、綾は特別可笑しな病気を持っていたのだ。

布団から髪の毛、足等が布団からはみ出していると、誰かに髪の毛や足を捕まれそうで怖い。と言う病気だ。今は四月だからまだ大丈夫だが、真夏になれば身体を全て布団に納めるのも無理そうで、真夏には実に困っているのだ。綾はそのまま布団に出て、近くに置いて有る古い扇風機に電源を付けた。


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