【夜の街は】ほら、夜が明ける【真っ暗】

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2:カマンベール:2016/04/04(月) 09:20 ID:fjU

まるで知らない場所に来たかの様に夜の街は全く違う顔を見せていた。周囲を照らす自販機、何かが出てきそうな街角、時折頬を撫でる風…全てが違っていた。家から見て左の道に進む事に決めその方向に足を動かすとがさがさと何かの音がしびくっと体を止める。音源はビニール袋だった様で、風も吹いていないのにがさがさと転がっている。てくてくと何度も角を曲がり別れ道を選び行く当ても無く歩いていると空き地に到達。其処に足を踏み入れると見知った背中の姉が懐中電灯片手に(恐らく)落とし物を探している姿を見付けた。
「お姉ちゃん」
「わっ!びっくりした…探しに来たの?」
そう言って振り返った姉の姿は不自然に強ばり背後をじっと見つめていた。不審そうに首を傾げると姉は肩に手を置き目を見つめながら言った。
「帰ろっか。その前にちょっとかくれんぼしよ?」
「?うん」
何故今遊びを始めるのか分からないが姉と遊べる絶好の機会なので首を縦に振った。すると姉は背後を見つめたまま空き地を出てこの街の何処かに隠れる様促した。
「良い?私が見つけるまで出てきちゃダメだからね?」
「うん」
そう言うと姉は懐中電灯を渡し夜の暗闇へと走っていった。

___怖くて暗い夜はまだ始まったばかり___


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