蛍光灯とモルモット

葉っぱ天国 > 小説 > スレ一覧
3:ライ麦@しょぼんR◆xg:2016/04/23(土) 18:47 ID:DzA

「…バカなの?、撃ち殺されたいマゾヒストなの?」

知らない女にこう言われたら大体男はキレる、実証済みだ、
ここで生き残っても解放されるわけではない、次のモルモットになって死ぬのが少し遅くなるだけ、だったら私は今すぐにでも死にたい。
そう考えていると、男がぼそりと呟く様に言った

「……俺は生かせる命は、出来るだけ生かしたい」

元医者だからな。と短く付けたし、男は少し悲しげな表情に変わる、
医者が何故ここにいるのか、なんて言葉を飲み込んで、捲し立てる様に言う

「算盤を弾きなよ、こんなの簡単な引き算でしかないでしょ?」

男は面食らった様にこちらを見た、簡単な計算でしかない、人の命なんて

「引き算以下でもないし、以上でもない、ただ一人を殺すだけ」

生き残れるモルモットは一人、それを誤魔化す為にそんな考えをしているようにしか、私には思えなかった、蛍光灯は消えた、


その暗闇の中で、元医者の男ははっきりとこう言った。


全部 <前100 次100> キーワード
名前 メモ