そのあと電車が目的の駅につき、痴漢魔をつき出したりと色々あって、彼の名前が「蛇槙」であること、電車内では混乱して気づかなかったが、同じ制服であることから同じ『アメバナ学園』の生徒であることがわかった。ついでに同じ新入生だそうだ。そのあとの私達は、一緒に登校するも、気まずく、まるで初恋カップルのように一言も話すことなく学校に着いた………なんてことはなく、蛇槙は友達が「待っているから」とすたすた行ってしまった。私は別に友達が居ない訳ではない。そう、居なくはない。道場のアイツとか、腐れ縁のアイツ…は友達……?かあ?……んん?ホントに怪しくなってきた。まあ、大丈夫、高校なんだから、友達なんてすぐにでき……
「ライツ〜!!寂しくお一人で通学かね??」
耳に入ってきた腐れ縁の戯言など聞こえなかったフリをしよう。
「お〜い?聞こえなかったかな〜…ライツ!!アメバナ学園新一年生15歳生年月日…」
「ああもううるさい!」
個人情報を堂々と暴露しそうになった(というか少しした)奴に、バックに入れてた教科書で面を決める。
「いたた…ごめんごめん…さすが効きますな〜」
「私に一人とか言っときながらアンタも一人じゃん。」
「ほら?そこは新しい出会い求めるなら大人数はダメよ。単身で乗り込まなきゃ」
「そうかい。じゃあさいなら。」
「あああ冷たい。俺らの仲じゃん、一緒に行こ?」
「腐れ切った仲?」
「そう、腐敗した仲」
腐れ縁のアイツ、早苗としぶしぶ登校すると、生徒入り口の前にはクラス表が張り出されており、人がもみくちゃになりながら確認していた。地獄絵図だ。
「そいうや『アメバナ学園』って成績でクラスきまるんだっけ?」
「そう。お前確実にDだろ」
「まあ俺推薦だしー♪」
ここ、『アメバナ学園』は部活が多用多種であり、また部活動に対してはとても評判のいい、まさに青春したい学生にはもってこいの高校なのだ。しかし、この学校は別段成績が良くなくとも入れるので、優等生と不良生徒の素行の差がかなり酷いことでもまた有名だ。
そしてもう1つ『アメバナ学園』は、体に異変を持つ者を差別区別なく平等に受け付けてくれるまさに女神のような学校なのだ。体の不自由、ではなく、私の場合天使と悪魔にとり憑かれて羽が生えたりしてるし、早苗の場合は体が一部透けてたり透けてなかったりする。『アメバナ学園』は、このような、普通の人だったら気味悪がったり、変に注目して指差して笑ったりするような異変を体に持つ者の聖地なのである。勿論、一般の人も入学できるのだが、さっきのような「異変を持つ者」に対しての偏見や軽蔑、迫害をせず平等に協力できることが条件だ。つまり、見た目のせいで気味悪がられていた私も、ついにまともな友達を手に入れることができるのだ…!!……友達…い、いたよ…?…たぶん。