オトコのカンケイ。

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3:あんど:2016/05/21(土) 00:01 ID:B9o

○阿山 馨

暑い体育館で、汗を流して走る。
ボールをつきながら、俊敏に動く。
そしてシュートを決めて汗をぬぐいながらコートを出て行く…。
すべての動きがかっこいい。あー、かっこいい…。

「馨ーっ!ぼさっとしてんじゃねーよバカ!」
先輩の声にハッと我に返った。
「すいませーん!」
「最近何だよ。ぼーっとしてさ」
バレーボールを脇に抱え、先輩が俺のところへやってきた。
「あ…寝不足です」
「ちゃんと寝ろよ!」
「は、はい」
仕方なく視線を内側へ戻し、ボール拾いを再開した。
…にしても、まさか恋をするとは思わなかった。

ひとつ年上の高校二年生、バスケ部の三浦雄介さん―。
気持ち悪いなんて言わないでほしい。言われなくても分かっている。
男の子に恋をするなんて…。

まだ俺もバレー部に入って一ヶ月だから、あんまり三浦さんのことは知らない。だけど、分かるのはモテモテだということだ。
バレー部とバスケ部は体育館をネットカーテンで半分に仕切っている。そのカーテンからいつも三浦さんを見ている。
恋だということに気づいたのは一週間ほど前だ。ドキドキした。最初は自分が嫌になった。だけど三浦さんがかっこいいのには変わりなかった。

だから、気持ち悪いなんて言わないでほしい。
俺、結構本気だ。


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