第1話 此処は楽園のまったり村!?
ほのあside
「はじめまして、ほのあちゃん!今日から、私達と一緒に住むんだよ?」
どう考えても、これは私に話し掛けてる。
え、いや……あの、私達と一緒に住む?どう言う事?
「う、うわぁ!?」
ふと隣を見ると、黒髪ポニーテールの女の子が、私を真似する様に寝転がっていた。
私の方を見て、愛嬌の有る笑顔を見せる。……けど、この子誰?
その時、私はこんな事を思った。
この子、見に覚えがある。
「あはは!まぁ、いきなりこんな事言われるのも困っちゃうよね?私は尾崎すずか!宜しくね!」
と、一旦起き上がって、笑顔で私の顔を見る。
私も起き上がると、すずかの後ろには木が這えている道が続いていた。
そのもっと奥には、大きな湖。
「それで……此処は何処です?あ、因みにオイラ……じゃなくて!私は悪咲ほのあ!宜しくね!」
「うん!ほのあね!……それで、此処は何処かって言うんだけど……」
すずかは真剣な顔をして、何かを話そうとする。
私はそれに耳を向ける様に、私も真似て真剣な顔をした。
……あれ?
可笑しい。
何で、私自分の名前知ってるの?
さっきまで分からなかったのに……
ま、まぁ細けぇ事は良いんだ!
とにかく……今はすずかとか言う奴のお話を聴きましょうか。
「此処はまったり村。小学生以上なら住めるって言う楽園の土地!
それで、この村の村長になろうとして、ほのあはこのまったり村に来ました。でも、原因不明で駅の前で倒れちゃって……
何だかんだで、この私、すずか様の家の庭に来た!……と言う訳さ!」
最後にドヤ顔を見せる。ちょっとウザい。
話長いねぇ……眠くなってきちゃったって今まで寝てたっけ?
……それにしても
この庭、狭くね……?
いや、あの、ほんとに狭いんですよ。
丁度二人で入れるくらいの庭ですからね、うん。
「窮屈だね〜……これじゃあ庭って言わないよ!」
「うるっせ!人の家にケチ付けんなよ!うぐぐぐ……ごくごく……」
「ごめんごめん」
ちょっと失礼だと思ったので、小さく謝罪。
丁度水筒の蓋を開けて飲もうとしていたのか、話した後には直ぐに水らしい物をごくごくと飲み干す。
全く……すずかは呑気で良いねぇ〜。
そんな風にのんびりと会話をしている時、すずかを呼ぶ声が聴こえた。
「おーい!すずかー!」
「……ん?この声は」
水筒の蓋をパチンと閉めると、その声に反応する。
すずかの知ってる人なのかなー?
チリンチリン、と言う音もする。
この音って……自転車のベルの音?
三秒くらいすると、緑と青の自電車に乗った緑髪の男の子が来た。