相対運命絶対人生

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2:月依 要:2016/05/29(日) 10:04 ID:FsY

序章 ー通知表ー

 今日は、終業式。
つまり、今日は通知表が返されるのだ。
私は、特別頭が悪いということでもない。
ただ、特別頭が良いということでもない。
言わば、至って普通ということだ。
 
 何処かの教科の先生が言っていたけれど、今は評価の仕方が昔とは違うらしい。
昔は、相対評価と言って、5がついている人の人数だけ、1をつけなければいけない。
4がついている人の人数だけ、2をつけなければいけない。
残りは3という評価方法だったらしい。

 今は、絶対評価と言って、その人の成績により、評価をするという方法らしい。
そんなことは、私にはあまり関係ない。
どうせ、3だろうから。

 終業式を終え、教室に戻って来た。
次々と通知表が返されていく。

「平田 美也(ヒラタ ミヤ)さん」

自分の名前が呼ばれた。
私は、席を立ち、通知表を受け取る。

「ねぇ、ねぇ、どうだった?」

私にすぐ話し掛けてくるのは、前の席の矢崎 波瑠(ヤサキ ハル)。

「まだ、見てないよ」

私はそう言い、苦笑する。
波瑠と話しながら私は、通知表を見た。
殆どが3。国語だけが4。
前回と同じような感じだ。
(まぁ、中1と比べて下がってないだけマシか。)
一通り、見終えた私は、通知表をしまった。

 「気をつけ、例」
「さようなら」
学級委員の号令で皆、教室を出てく。
これから、夏休みなのだ。
はしゃいでいる人もたくさんいる。
そんななか、私は幼馴染みである、葵衣の所へ行った。


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