「葵衣、通知表どうだった?」
私の幼馴染みである楠 葵衣(クスノキ アオイ)は、卓球部所属の高身長な人だ。
成績はそこそこいいと思う。
「まぁまぁだったよ」
彼女は、こちらを振り向き、笑顔で言った。
私達は、簡単な会話をしながら、それぞれの家へと向かった。
「もうここで別れ道か、またね」
「うん、また」
別れの挨拶をした後、私は自らの家へと向かった。
(はぁ、もう家か。)
私は、家が嫌である。
正しく言えば、家にいるであろう母方の祖母が嫌いなのである。
何が嫌なのか、説明しろと言われると難しいのだが、私の母も言っているのだから間違いはないのだと思う。
とやかくしていると、家に着いた。
もう、ただいまとも言わない。
私はこの後、昼食を食べ、用意をしてすぐに部活動に向かう。
私は、バスケットボール部に所属している。
バスケ部は、男子も女子も新チームになっている。
私は、新チームのキャプテンをやっている。
他にくらべれば人数は少ないが、仲睦まじくやっているので、私は部活動はそこまで嫌いではない。
強いて言えば、三年生が引退する前の男子が強く、区大会を優勝するような実力を持っていたため、練習が男子中心であり、先生は女子をあまり見てくれないと言うところが不満に思う点である。
今年の男子はそこまで強くはない。
(平等にしてくれてもいいと思うのだけれど。)
型にはまってしまった以上は、仕方ないかもしれない。
今回のチームでは、男女を平等にすることを目標にしたい。
色々しているうちに、準備が終わり、時間も時間になった。
私は、行ってきますの一言も言わずに家を出た。