魔法使い。それは、優しい心を持った者。

葉っぱ天国 > 小説 > スレ一覧
3:スイ◆FA:2016/06/09(木) 15:01 ID:gTk


「……そういえば、みーちゃんって魔法使いになりたいの?」
「うん、そうだよ!春菜ちゃんよく分かったね〜!」
「そりゃあ一緒に居るんだから分かるよ〜」
「えぇ〜!そうかなぁ?でも、魔法なん存在しないし、そもそも魔法使いになんて、なれっこないよね……」

と、実糊は春菜の顔を見て苦笑いをする。
歩いている内に、いつの間にか学校の校門前に着いている。2人は、お喋りをしながらも、校舎の中に入っていく。
実糊よ、君は魔法使いになれると言うのに、なぜ分からないのだろうか。____いや、分からなくて当たり前だろう。




その頃、別世界の魔法の国……
通称、スマイルタウンのお城では、1人の女王が、大きな椅子に座っていた。
その隣には、ピンク色で天使のような羽が生えた妖精が飛んでいた。

「女王様!今日もお仕事、お疲れ様アル!」
「アルル、ありがとう!もう少ししたら、別のお仕事があるわ。だから、あんまりゆっくりは出来ないわね……」

はぁ……と、疲れた溜息をつく女王。アルルは、その疲れた女王の為にお茶を淹れる。
妖精の名前は、アルルと言う。本名は……アルル・リリアスと言っただろうか。
スマイルタウンの中では、ごく普通の妖精である。



____そんな時、この平和なスマイルタウンに、最大の危機が訪れたのだ。


「ふふふ……ここがスマイルタウンとかいうところか。居心地わりぃところだが、支配するには持ってこいだな」

黒いマントを纏った、怪しげな雰囲気を放った謎の男。
そして、マントの中からなにかが入った袋の中身を、スマイルタウンに撒いたのだ。紫色の、煙のようなもの。


最初は特に影響は無かった。ただ、咳をする妖精が居ただけ。
_______が、それを吸った妖精たちは次々に倒れていったのだ。



「ケホッ、ゲホッ!こ、この煙はっ……!!」
「アル!これは、毒……っ!?ど、どうしてこんなものがアル!?ゲホッ、ケホッ!」
「いいえ……毒と似ているけれど、違うわ。これは、『ウイルス』よ……!!」

苦しそうに咳をする2人。紫色の煙は、毒ではなくウイルスだったのだ。女王は、鼻が良いのか匂いですぐに分かった。
ということは、謎の男が撒いた煙は、『ウイルス』だったのだ。

「ふははははっ!良い景色だ。女王、妖精たちは皆ウイルスで死にかけになっている。俺はこのスマイルタウンを滅ぼすのが目的だ。さぁ、どうする?妖精も使いものにならない。魔法使いだって居ない」
「だ、誰なの!?どうして、いきなりこのスマイルタウンを滅ぼすなんてっ……」
「女王様!なんだかよく分からないけれど、こうなったら魔法使いを呼ぶしか……」


全部 <前100 次100> キーワード
名前 メモ