君へ。

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3:由希◆q. YELLOW DANCER:2016/07/02(土) 20:18

1.

透「ありがとうございましたー」
茉未「透。先に帰って。疲れてるでしょう?」

時計を見る。夜の9時だ。

透「大丈夫です。それに、あと1時間もありますし…」
茉未「そう?ならいいけど…」

大橋茉未さん。私のバイト先の先輩。とっても優しくて、頭も良いんだよねぇ〜!

ウィィーン
ドアが開いた音がする。

透「いらっしゃいませー」

その人はパン2個と牛乳1本をレジに置くと、ギョッとしたように私を見た。

?「おまえ………!」
透「はい?356円になります」

この人、知り合いだったっけか?違うはずだけど。何しろ帽子で顔がよく見えない。ジャージ姿だし、走ってたのかな?

?「ん」
透「356円、ちょうどお預かりします」

それにしても。張り込みみたいな買い物だな。パンに牛乳って。

透「ありがとうございましたー」
茉未「さぁてと。あたし帰るね。透も一緒に帰ろ?」
店長「もう帰っていいぞ」

な、なんかここまで優しいと逆に怖いんだけど…ま、いいか。



菜穂「おはよー!透」
透「あ。おはよ、菜穂」

次の日。私は珍しく遅刻ギリギリではなく、余裕を持って登校してきた。
そう。いつもは遅刻ギリギリなのだ!

菜穂「ね!知ってる?」
透「何が?」

私が余裕を持って登校してきたのは初めてだって?うん、知ってる。

菜穂「あのね!今日は転校生が来るんだって!」
透「転校生?」

へぇ…転校生、ね。

瞬「転校生か。男らしいぜ」
透「ん?なんだ瞬か」
瞬「『なんだ』ってなんだよ!」

こいつは辻村瞬。私の幼馴染み。

先生「ほら、席つけ!…転校生紹介するぞ」

教室がざわめく。そんなに待ち遠しいか?

?「おはようございます。はじめまして。前川潤です」

へぇ…。なんか、胡散臭そう。

って、ん?なんかどっかでみたような…あ!

透「コンビニの!」
潤「え?あ!君は…」


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