夏は嫌いだな。
私はずっとそう思って生きてきた。
朝、カーテンを開けるとまぶしい日差しが部屋の中を照らす。
これが気持ちいいなんて私は思えない。
「サツキ!おはよう。」
「ハルカ!もう、勝手に入ってこないでよね。」
私の部屋に入ってきたのは蒼原ハルカ。
両親が事故で亡くなって私の家に住んでる。
「ノックぐらいしなさいよ!」
私はハルカを睨む。
「ごめんごめん。ね、今日は久しぶりに二人で出かけない?」
ハルカが私をじーっと見つめる。
あぁ、ハルカのこの青く光る目に見つめられると勝てない。
「わかった。どこがいい?」
「別に行きたい場所なんてないよ。適当に散歩しよ!」
は?って思ったけど、これがハルカだし。
私はうなずいた。
しょうがないなぁ。
「よし、ターゲットを見つけたぞ。」
「さすがハイド。」
「黙れ!ワン。」
「冷たいなぁ。」