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3:ジャーデ:2016/07/15(金) 16:19

『御伽考察』

「昔さぁ、寝る前とかに親が本読んでくれたりしなかった?」

「したした!俺の家ではよく一寸法師とか、鶴の恩返しとか読んでもらったなー」

「でもさ、今考えれば全部おかしな話だよな」

「ん?何が?鬼退治したり、王子様と結婚したり、ハッピーエンドばかりじゃないか?」

「いやいや、そうじゃなくてさ・・・例えば白雪姫、あれって小人が七人出てくるだろ?」

「うんうん」

「でも、誰もあの小人七人の関係を知らないと思うんだ」

「ただの友達とかじゃないのか?」

「よく考えてみろ、ただの友達って関係で、森の中で一つの家に七人で同居するか普通、ちょっと
 危ない感じがするだろ?」

「お前ちょっと深読みのし過ぎじゃね?」

「次にシンデレラ、まず、かぼちゃの馬車って何だ?趣味悪いし、しかも中に人が入るんだぞ?
 それにあのかぼちゃはいつのかぼちゃだ?食べ物を粗末にしているだろ?その上ガラスの靴・・・・・
 足を怪我するかもしれないし、変える途中するっと簡単に片方が脱げちゃうくらいぶかぶかで、しかも
 ハイヒールの形・・・・・健全な児童に読ませる内容じゃないと思わないか?」

「・・・ま、まぁな・・・」

「お次は長靴を履いた猫」

「うんうん」

「これはすぐに結論が出るな」

「どんな?」

「猫は喋らない、長靴を履かない、まず猫の足のサイズの長靴なんて存在しない」

「作り話であって」

「そして次に猿蟹合戦」

「・・・うんうん」

「最終的に猿が集団リンチされて終わるって酷くないか?あれじゃあ合戦じゃなくて密猟だ、
 あの猿を毛皮か何かにでもするつもりなのか?」

「あれってそんな猟奇的な話だっけ?」

「続いて」

「わかった、わかったからもう喋るな、深読みし過ぎだ」

「一寸法師」

「続くのね・・・はいどうぞ」

「あれって鬼の体の中を針で突付いて攻撃しているんだぞ?鬼が可哀想だろ?」

「・・・だって鬼の自業自得だろ?」

「・・・まぁ、そうなんだけども・・・・・」

「・・・・・だろ?」

「事実を言われて何も言えん」

「まぁ、御伽噺なんてそんな感じだよ」

「なぁ監守さんよぉー、何か本読んでくれよー、寝れやしないぜ」

「うるさい、さっさと寝ろ、囚人二人組」


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