そんな風にほのぼのしていると、偶然にも二人の友達、レイノ・プリンセスがやってきた。
レイノ「こんにちは!お二人さん、今日も元気そうですね。」
と、レイノは二人に礼儀よくお辞儀をする。白い傘を持って。
白い傘を持っているのは、多分日焼け対策だろうか。
アリス「レイノだ〜!レイノも元気そうでなによりだよ!」
カシア「レイノも、いつも通り真面目そうだね〜?」
レイノ「そ、そうですかね……?」
と言う会話を続けながら、レイノは二人が座っているベンチに座る。
カシアの言う通り、レイノはいつも通り皆に敬語を使い、真面目な雰囲気を放っている。まさに、名前の通りプリンセスのようだ。
しかも、レイノは頭も良く、成績もいい。学校に行かなくてもいいくらい頭がいい。
頭の悪いアリスと比べたら、月とスッポン(これ言いたかっただけ)だ。
それにカシアが加われば、カシアは普通。……そう、まさに普通なのである。
アリス「そういえばさー…カシアってさ、なんか…普通だよね。」
カシア「うっ…!?」
そう、アリスはなんとも言えない無表情でカシアのことを言い始める。
そのアリスの言った一言に、カシアの心は包丁を突き刺さされたように傷がつく。
レイノ「確かに…!カシアさんって、頭も普通ですよね。」
カシア「ぐぼうえぇッ…!!」
アリスに引き続き、今度はレイノまでカシアに突き刺さる言葉を引きかけた。しかも、レイノはニッコリ笑顔で。
こう見えても、レイノは少々ドSなところがあるので、アリスと一緒にこう言ったのだろう。
……しかし、なぜカシアがこの言葉に傷ついたのか?
それは、カシアは変にプライドが高いからだ。
自分だけが一番上になりたい、自分だけがみんなから尊敬されるような人になりたい……という、変なプライドを持っているのだ。
普通ではなく、みんなの上に立ちたい!という思いから、今は努力を積み重ねている。
だがカシアは、誰が見ても普通。勉も運動も、なにもかもが“普通”なのだ。
それだから、カシアは“普通”と言われると、今のように傷つくのだ。
これは、本人に直接聞いた情報である。