いつもの学校生活が変わった。
いつもどおり
「お、おっはよー!」
と明るく挨拶したのにその日は誰も返してくれなかった。いや、由亜以外。
「なほっちおはよー!」
と由亜はにっこりとして挨拶をした。
その笑みに私は背中がゾクゾクとした。
どうしてみんな挨拶をしてくれないんだろ。
どうしてみんな私のことを睨みつけるのだろ。
そう思いいつも一緒に遊んでいる、ららに声をかけた。
「ねぇららちゃん。」
ポンとららの肩に手を置いた時、さっと私の手はらら本人に払いのけられた。
それから思い切り睨まれた。
「触らないで、キモいんだけどー。」
「________え?」
小さく聞き返してみると
「聞こえなかった?キモいから触らないでって言ったんだー。」
「ど........どうして?」
「悠希の悪口とか言ってたんでしょ?悠希をいじめてたとか。さいってーだね。」
悠希をいじめてた?悪口?
全然聞き覚えのないことなので私は顔をしかめた。それに悠希は私の憧れだった。
「へ......?いじめてないよ?何かの間違いじゃない?」
「は?間違い?あたしは悠希に聞いたんだけど。そーだよねー悠希」
ららはななめ後ろの悠希を見た。
まわりの子の視線が痛い。
が、答えたのは悠希ではなく悠希と仲の良い男の子だった。
「知ってるー!俺も悠希に聞いたしー!」
「そーそー!サイテーだよな!」
と男子だけでなく女子も言い始めた。
「私も聞いたよ!おとなしそうにしてる割には結構やるよね〜。」
「しかもいじめの主犯ならしいよー!」
「私も聞いたー!」
「私もー悠希くんからいじめられてるって言われたよ!菜穂の友達だったのに最悪。」
「何か言い返したらどーなの?」
だんだん女子がつめよってきて私は机のはしに引っかかりこけてしまった。
「痛っ。だから私はやってないよ......。」
足首をさすりながら私は小さい声で言った。
「は?クラスのみんな言ってるんだよ?」
「じゃあ誰が見たの?も、目撃者は?」
「目撃者はね________。」
ららはクラスを見渡しゆっくりと静かに言い放った。